代表理事からのメッセージ

当時、サンスターの社長であった金田博夫は、むし歯の罹患率が97%という子供たちのお口の状況を憂慮していました。そこで、"全ての人々が生涯自分の歯で健康に過ごせるよう"にとの思いから、お口の健康の大切さを正しく発信し、国民のオーラルヘルスリテラシーの向上を目的として1977年7月に「サンスター歯科保健振興財団」を創設しました。
以来今日に至るまで、財団では “お口の健康は全身の健康につながる”という考え方に基づいて様々な口腔保健の支援活動を行ってまいりました。
特に歯周病分野では、1986年に歯周病の予防・治療の将来を展望する神戸ポートサイドシンポジウムの開催、1997年には歯周病と全身の健康の関係を取り上げたサンスター・チャペルヒルシンポジウムを開催するなど、世界の歯周病研究を促進・支援する活動を重ねてまいりました。
さらに、私共の財団活動に大きな影響を与えたのが、2008年7月に軽井沢で開催した「全身の健康、糖尿病と口腔の健康に関する日米専門家パネル」です。この会議には日米の糖尿病および歯周病の専門医や研究者が招集され、お口の健康と全身の健康の関係を解明していく上で大切な「医科歯科連携」について次のような合意がなされました。
  1. 連携に関する国ごとの特性とグローバル化への対応
  2. ジョスリン・サンスター糖尿病教育計画(JSDEI)の推進
  3. 若手研究者育成のための奨学金制度
  4. 医科・歯科間の情報共有化の促進
  5. 国民啓発活動への健康関連ホームページの活用
この「軽井沢2008会議」開催後、財団は2011年4月に「一般財団法人 サンスター財団」に改名し、事業会社と連携しながら、糖尿病をはじめとする生活習慣病の予防に向けて、専門家だけでなく一般の方々も対象とした教育・啓発活動、学術講演、研究助成・表彰、臨地実習を含む人材育成など、さまざまな取り組みを行ってまいりました。また、事業会社の健康経営に貢献することを目的に新たな情報提供にも取り組んでまいりました。
今後も引き続き、「お口の健康から全身の健康を見つめる」ことをサンスター財団の使命と考え、世界の科学技術の動向や医学・医療分野の進歩を的確に捉えながら、日本はもとより、世界中の人々の全身の健康維持・増進ならびに保健・医療の発展に貢献してまいる所存です。
サンスター財団の活動に対し、皆様からの一層のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
一般財団法人 サンスター財団
代表理事  高澤 邦人
      桂木 康弘