ハーバード大学医学部への平成28年度海外留学生募集開始(〆切6/15)

2016.04.01

糖尿病、歯周病など糖尿病の合併症予防・治療研究を支援

一般財団法人 サンスター財団(所在地:大阪府高槻市、理事長:本田孔士 京都大学名誉教授、以下サンスター財団)は、糖尿病、歯周病など糖尿病の合併症の予防・治療を目指した基礎研究・臨床への応用研究支援として、海外留学生2名を募集します。

留学生の対象は、日本の歯科・医科・栄養学・生化学分野等の39才以下の研究者とし、世界最大の糖尿病研究・教育・診療機関である米国ハーバード大学医学部附属ジョスリン糖尿病センター(所在地:マサチューセッツ州ボストン市、所長:Dr. Peter Amenta)の研究室に2年間留学する渡航費、滞在費(総額 11万ドル+100万円=約1,300万円相当)を支給します。

募集期間は2016年4月1日~6月15日で、国内の大学、研究機関、医療機関の糖尿病、歯周病の専門家で構成される選考委員による独立性・公平性を重視した書類審査、面接選考を経て留学助成金受給者を決定、2017年から2年間留学するスケジュールとなります。

この留学生募集は、サンスター財団が「金田博夫研究助成基金」(注:金田博夫は、現サンスターグループ会長、サンスター財団 理事)として2009年から毎年実施しているもので、今回の募集が8回目となり、これまで国内の大学・大学院・大学病院の医科・歯科の若手研究者8名が留学、2016年に新たに2名が留学予定です。このたび、既に帰国した3名の留学生の研究成果をまとめた「金田博夫研究助成基金 研究報告書(第1版)」が完成、今回の募集を機に公開いたします。

<サンスター財団が糖尿病の研究助成を行う背景>

現在、世界の糖尿病患者は4億1,500万人に上り、前年の推計より2,800万人増加、世界的に糖尿病患者は年々増え続けています。日本の成人の糖尿病人口は720万人で、世界ランキングでは前年からひとつ上がって9位になるなど(2015年国際糖尿病連合調べ)、糖尿病の罹患予防・重症化予防は大きな課題となっています。

近年の急激な生活習慣の変化、その中でも食習慣や栄養摂取状態の変化が糖尿病のリスクを高めており、健康状態に応じた食事指導と健康的な食生活をいかに継続させられるかが問われています。糖尿病で血糖コントロールがうまくいかずに「高血糖」の状態が続くと、網膜症、脳梗塞、歯周病など様々な合併症を引き起こし、生活の質が衰える結果に繋がります。一方、歯周病予防・治療により糖尿病患者の血糖コントロールが改善する臨床報告が増えています。糖尿病や歯周病を含めた合併症の予防、食と糖尿病との正しい関わり方についての理解促進と、治療現場における医科・歯科連携が今後ますます推進されることが期待されています。

そのような考え方のもと、サンスターは、米国のハーバード大学医学部附属ジョスリン糖尿病センターと、ジョスリン・サンスター糖尿病教育プログラム( JSDEI=Joslin-Sunstar Diabetes Education Initiative)を共同で実施する契約を2008年4月に締結しました。このプログラムの1つの施策として、2008年以降、サンスター財団とジョスリン糖尿病センター共催により、医科・歯科専門家向けのJSDEIセミナーを毎年開催しています。セミナーでは、肥満・糖尿病と栄養の関連性や、糖尿病と歯周病などの口腔内疾患との関連性について最先端の研究に従事している研究者、および糖尿病、歯周病の予防と治療に対する新しい視点でチャレンジしている医療関係者を講師に招き、糖尿病罹患予防・重症化予防および療養支援に役立つ最新情報を、医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、栄養士、薬剤師、研究者など、幅広い分野の専門家と共有、議論しています。これまで、米国で7回、日本で7回、スイス、イタリア、ドイツ、スペイン、中国、シンガポールで1回ずつ、計20回のJSDEIセミナーを行い、累計で約7,000名の医科・歯科の専門家が参加しています。

サンスター財団の「金田博夫研究助成基金」による若手研究者の留学支援についても、糖尿病、歯周病など糖尿病の合併症の予防・治療を目指した基礎研究・臨床への応用研究を支援すべく、サンスター財団とジョスリン糖尿病センターとの協力関係をもとに実施しています。